SDGs目標8:働きがいも 経済成長も

SDGs目標8:働きがいも 経済成長も

●目標8:働きがいも 経済成長も

国連開発計画(UNDP)では、「SDGs目標8:働きがいも 経済成長も」を次のように解説しています。

すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用
およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

2008年から2009年にかけての経済危機の影響が長引く中、極度の貧困の下で暮らす労働者の数は過去25年の間で劇的に減少しました。開発途上国では、中間層が雇用全体の34%以上を占めるようになりましたが、この割合は1991年から2015年までの間に、ほぼ3倍に増えています。

しかし、世界の経済が回復を続ける中、成長の減速や格差の拡大が見られ、雇用は労働力人口の成長に見合うペースで増加していません。国際労働機関(ILO)によると、2015年の失業者は2億400万人を超えています。

持続可能な開発目標(SDGs)は、生産性の向上と技術革新により、持続的な経済成長を促進することを狙いとしています。これを達成するためには、起業と雇用創出を促す政策の推進だけでなく、強制労働や奴隷制、人身取引を根絶するための効果的な措置を取ることも重要です。こうしたターゲットに留意しつつ、2030年までにすべての女性と男性の完全かつ生産的な雇用とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を達成することを目標としています。

ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)は、持続可能な開発のための2030アジェンダを構成する17のグローバル目標の一つです。複数の目標を同時に達成するためには、包括的なアプローチが必要不可欠です。

 

国連開発計画駐日代表事務所より:
https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals/goal-8-decent-work-and-economic-growth.html

●「働きがいも 経済成長も」達成に向けてのターゲット

  • 8.1「持続的な経済成長率の確保」
    各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。

  • 8.2「高い経済生産性を実現するための多様化、技術向上、イノベーション」
    高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。

  • 8.3「雇用創出や起業を支援する政策の促進」
    生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。

  • 8.4「消費と生産における資源効率の改善」
    2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。

  • 8.5「完全雇用と働きがいのある人間らしい仕事を同一労働同一賃金で実現」
    2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。

  • 8.6「若者の就労、就学、職業訓練の促進」
    2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。

  • 8.7「現代の奴隷制、人身売買、児童労働を撲滅する」
    強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。

  • 8.8「労働者の権利の保護と安全な労働環境の促進」
    移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。

  • 8.9「有益で持続可能な観光業の促進」
    2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。

  • 8.10「銀行取引、保険、金融サービスへの普遍的アクセス」
    国内の金融機関の能力を強化し、全ての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。

  • 8‣A「貿易のための援助の拡大」
    後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。

  • 8‣B「若年雇用のための世界的戦略の展開」
    2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。

    ※参照:SDGsターゲットファインダーより