SDGs目標16:平和と公正をすべての人に

SDGs目標16:平和と公正をすべての人に

●目標16:平和と公正をすべての人に

国連開発計画(UNDP)では、「SDGs目標16:陸の豊かさも守ろう」を次のように解説しています。

持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

平和、安定、人権、そして法の支配に基づく効果的なガバナンスは、持続可能な開発の実現に向けた重要な手段です。私たちは亀裂が深まる世界に暮らしています。平和と安全、繁栄が持続している地域もあれば、紛争と暴力という無限の悪循環に陥っていると見られる地域もあります。これは決して仕方のないことではなく、取り組みが必要な問題です。

激しい武力紛争と情勢不安の高まりは、国の開発に破壊的な影響を及ぼし、経済成長を損なうだけでなく、コミュニティ間にしばしば数世代にも渡る長期的対立をもたらします。紛争のほか、法の支配がない場所では、性暴力、犯罪、搾取、拷問も蔓延しているため、各国は最も大きなリスクにさらされた人々を保護する措置を講じなければなりません。

持続可能な開発目標(SDGs)は、あらゆる形態の暴力を大幅に削減するとともに、政府やコミュニティと協力し、紛争と情勢不安を恒久的に解決することをねらいとしています。法の支配を強化し、人権を推進することは、違法な兵器の流通を削減し、グローバル・ガバナンス機構への開発途上国の参加を強化することとともに、目標実現のプロセスにカギを握る要素となります。

平和と正義の推進は、持続可能な開発のための2030アジェンダを構成する17のグローバル目標の一つです。複数の目標を同時に達成するためには、包括的なアプローチが必要不可欠です。

国連開発計画駐日代表事務所より:
https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals/goal-16-peace-justice-and-strong-institutions.html

●「平和と公正をすべての人に」達成に向けてのターゲット

  • 16.1「あらゆる場所での暴力を減らす」
    あらゆる場所において、すべての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。

  • 16.2「子どもを虐待、搾取、取引、暴力から守る」
    子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。

  • 16.3「法の支配を促進し、司法への平等なアクセスを確保する」
    国家及び国際的なレベルでの法の支配を促進し、すべての人々に司法への平等なアクセスを提供する。

  • 16.4「組織犯罪と違法な資金および武器の取引の拒絶」
    2030年までに、違法な資金及び武器の取引を大幅に減少させ、奪われた財産の回復及び返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する。

  • 16.5「汚職や賄賂の大幅な削減」
    あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。

  • 16.6「実行力、説明責任、透明性のある公共機関の実現」
    あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる。

  • 16.7「対応力があり、包摂的で、代表制に基づく意思決定の確保」
    あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保する。

  • 16.8「グローバル・ガバナンスへの参加の強化」
    グローバル・ガバナンス機関への開発途上国の参加を拡大・強化する。

  • 16.9「すべての人々へ法的身分証明の提供」
    2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する。

  • 16.10「情報への公共アクセスの確保と基本的自由の保障」
    国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する。

  • 16‣A「暴力防止とテロリズム・犯罪撲滅のための国家機関の強化」
    特に開発途上国において、暴力の防止とテロリズム・犯罪の撲滅に関するあらゆるレベルでの能力構築のため、国際協力などを通じて関連国家機関を強化する。

  • 16‣B「非差別的な法規・政策の推進と実施」
    持続可能な開発のための被差別的な法規および政策を推進し、実施する。

    ※参照:SDGsターゲットファインダーより